在宅ワークの認知度が高まると同時に、求職活動における採用面接も、リモートで実施されるケースが多くなりました。
コロナ禍で対面の機会が減少している昨今では、新卒採用でも、最終面接以外はすべてオンラインで実施するという企業も多いようです。
在宅ワークにおいては、オンライン面接は以前から、対面面接と同程度の割合で行われていましたが、コロナ禍をきっかけに、導入率がさらに高まっています。
当社の在宅秘書に関して言えば、9割を超える企業が、リモートで面接を実施しています。
対面の面接とリモート面接の違い
面接を行う目的や質問内容、基本的なビジネスマナーは、対面でもリモートでも変わりません。
大きな違いは、リモート面接では、パソコンやスマートフォンなどの機器、またZoomなどのオンライン会議ツールを用いて、画面越しにコミュニケーションをとることです。
初めのうちは、パソコンに向かって一人で話すという行為自体に違和感を感じたり、パソコンのどこを見て話せばいいのか、迷うこともあるかもしれません。
しかし、これは実際に何度か体験してみることで次第に慣れるので、心配しなくても大丈夫です!
コロナ禍における対面の面接では、マスクをして話すことがまだまだ必須の状況です。
リモート面接ではそういった気遣いも不要なので、むしろお互いの表情が分かりやすいというメリットがあります。
相手に自分の顔を覚えてもらうという意味では、もしかするとリモートの方が有利かもしれません。
リモート面接で気を付けたいこと
相手の会社へたどり着ければひとまず成立する対面面接とは異なり、機器やツールを使用するリモート面接では、それらを最大限に活かすための準備が必要になります。
事前にしっかり準備できているかどうかで、面接本番で相手に与える印象が大きく変わってくると言っても過言ではありません。
では、具体的にどんな準備が必要で、どんなことに注意を払えばよいのでしょうか。
機器などの環境面と事前の確認事項、面接当日の留意点をまとめてお伝えします。
インターネット環境
安定したWi-Fi環境が整っている場所を確保するか、不安のある場合はLANケーブルを使用し、パソコンと直接接続するのがおすすめです。
面接中に接続が途切れてしまったり、聞き取りにくくなってしまうと、相手の集中力も切れてしまい、せっかくの熱意やアピールポイントなどが伝えられなくなってしまいます。
バッテリー
Zoomなどのオンライン会議ツールは、会議時間が長くなればなるほどパソコンに負荷がかかり、想像以上に電力を消費します。
途中でバッテリーが切れてしまうことを防ぐために、電源ケーブルをつないでおいた方が良いでしょう。
イヤフォンマイク・ヘッドセット
マイクが内蔵されているパソコンであれば、直接パソコンに向かって話すことができます。
ただこの場合、パソコンのマイクは広範囲の音を拾うため、周囲の音(人の話し声や家の外の音など)も相手に聞こえてしまい、自身の声が聞こえづらくなる傾向にあります。
イヤフォンマイクやヘッドセットを使うと、相手の声が聞き取りやすくなり、自身の声もクリアに伝えることができます。
手ごろな価格で多くの種類が出回っていますので、ぜひ使用することをおすすめします。
実施する場所(音、背景、明るさ)
前述したように、あまりに周囲の音が入ってしまう環境では、お互いに集中できなくなってしまいます。
特に、自宅ではない場所で面接を受けたいと考えている場合は、なるべく静かな場所を選定するようにしましょう。
リモートの面接において、音と同じくらい気になるのが、画面に映り込む背景です。
背景に、プライベートなものや生活感のあるものが映り込んでいたり、人の行き来などの動きがあったりすると、相手の気が散ってしまう可能性もあります。
できれば、シンプルな壁などの前にパソコンを配置するのが望ましいですが、そういった場所がないようであれば、バーチャル背景を利用するのも一案です。
バーチャル背景の使用に関しては賛否あるようですが、「気が散るようなごちゃごちゃしたリアルの背景を見せるくらいならば、スッキリとしたバーチャル背景を利用した方が、相手にとっても失礼にあたらない」というのが当社の見解です。
そういう意味でも、バーチャル背景を使用する際は、ビジネスにふさわしいものを選択するのが大前提です。
また、室内の明るさにも気を配りましょう。画面の明るさは、表情の明るさに直結します。
例えば逆光になっていると、画面が暗くなり、表情が伝わりにくくなってしまいますので、表情がクリアに見えるように調整しましょう。
日中の自然光が入る部屋であれば問題ありませんが、面接が行われる時間や、パソコンを設置する場所によっては、照明なども上手に利用するとよいでしょう。
Zoomなどのオンライン会議ツールの多くは、無料でアカウントを取得できます。アカウントを取得し、事前にテストのミーティングを行って、カメラ映りを確認しておくと安心です。
服装、身だしなみ
自宅で行われるということで、緊張をあまり感じない環境にあるためか、カジュアルな私服で面接にのぞむ人を時折見かけます。
直接会わない状況であっても、初対面の相手と仕事の話をするのですから、社会人としての節度を忘れないようにしたいものです。
対面の面接同様に、ビジネスにふさわしい服装、身だしなみを整えることで、自身の気持ちも整います。
遅刻に注意
対面であれば、「早めに着いて場所を確認しよう」と行動する人も多いと思います。
しかし、自宅で受けられるリモート面接では、つい油断をしてしまったり、開始時間直前に接続しようとしたところ、うまく接続できなかったり、オンライン会議ツールのシステム更新が始まってしまうこともあります。
実際に当社でも、入室が1分遅れたという理由で、採用見送りになってしまった方もいます。
普段使い慣れているパソコン、ツールであっても、当日は何が起こるか分かりません。
余裕をもって、15分くらい前には、設定や接続確認をしておきたいですね。
また、万一の時のために、事前に相手の緊急時の連絡先(携帯電話番号など)を確認しておきましょう。
目線
オンライン会議ツールに慣れていないと、意外と戸惑うのが目線です。
自分が話す時には、画面よりも、「Webカメラ」を見るようにしましょう。
この時、Webカメラの位置が目の高さよりも低いと、顔がうつむき加減になり、相手を見下ろすように映ってしまうため、目線の高さとカメラが合うように設置しましょう。
パソコンの下に空き箱や雑誌などを置いて、高さを調整するとよいですよ。
しっかり反応する
リモート面接の場合、自分の印象として相手に伝わるのは、画面に映っている上半身と声だけになります。
直接会うよりも、画面を通しての会話は固くなりがちなこともあり、ともすると表情の変化が乏しくなり、印象も薄くなってしまいます。
そのため、しっかり相手に伝わるように意識し、対面よりもオーバー気味に反応を示すように心がけましょう。
笑顔はもちろんのこと、首を振って分かりやすく頷いたり、目を見開いたり、時には身振り手振りを交えるのも効果的です。
自分のフルネームを表示
Zoomなどのオンライン会議ツールでは、画面に映る自身の名前を変更できるようになっています。
家族でパソコンを共用している場合、ご家族のお名前になっていたり、本名ではなくニックネームで入室する人が意外に多いのも実情です。
画面上の名前は、対面面接における「名札」にあたります。
相手にしっかり覚えてもらえるよう、フルネームで表示しましょう。
以上、リモート面接の注意点をお伝えしました。気を付けるポイントは、結構多いですね。
見落としていた点もあるのではないでしょうか。
最後に、「スマートフォンでも面接を受けられますか?」とご質問をいただくことがあります。
スマートフォンは絶対にNGでというわけではありませんが、できればパソコンの方が望ましいでしょう。
特に、当社の在宅秘書を含め、パソコンによる業務が必須のお仕事の場合は、スマートフォンで面接を受けることにより
「この人、パソコンを持っていないのかな?それともパソコン操作が苦手なのかな?」
など、よけいな印象を持たれかねません。
その後のお仕事をお任せするイメージにつながりやすいため、パソコンで面接にのぞむことをおすすめします。