在宅で企業の事務業務をサポートする在宅秘書という働き方は、時間や場所に縛られない自由さが魅力ですが、企業との信頼関係を築くためには、細やかな配慮と高いコミュニケーション能力が欠かせません。
今回は、現役の在宅秘書たちに
「企業様とのやり取りで『これは気をつけている!』ということはありますか?」
というアンケートを実施。
その中で多く寄せられた回答から、特に意識されているポイントをランキング形式でご紹介します。
さらに、回答の中に見られたユニークな視点や、リモート環境で企業対応を行ううえで大切なポイントについても掘り下げていきます。
多かった回答ベスト5
第1位:迅速なレスポンスを心がける
「確認したらすぐ返信する」
「できるだけ早めに対応」
「対応が遅れる場合は、いつ対応できるかを先に伝える」
など、最も多く挙がったのが、「レスポンスのスピード」に関する意識でした。
オンラインでのやり取りでは、対面と違って進捗や状況が見えづらいため、即時のリアクションが信頼に直結します。
「すぐ返信できない場合でも、状況を一言伝えるだけで相手の安心感が違う」との声もありました。
第2位:文章は簡潔に・伝わりやすく
「YES/NOで答えられる質問を」
「長文は避け、箇条書き」
「20文字程度で改行」
など、文章構成に工夫を凝らしている方も多数。
チャット文化が主流となる中で、短く、見やすく、わかりやすい伝え方が求められています。
また、「【依頼】」「【報告】」など、メッセージの冒頭に目的を明示するなどの工夫も印象的でした。
第3位:相手のスケジュールや立場を配慮
「カレンダーを見て空いていそうな時間に連絡」
「夜間や休日は予約送信」
「お忙しい相手には簡潔に」
など、相手の状況に配慮した連絡タイミングを重視する声も多く見られました。
忙しいビジネスパーソンとのやりとりでは、「自分都合のタイミングで連絡しない」、「読む人の気分や状況を想像する」ことも、重要なスキルとなっています。
第4位:丁寧で柔らかい言葉遣い
「『大丈夫ですよ』『ありがとうございます』などの言葉を惜しまない」
「相手に応じてフランクに変える」
「チャットでも感情が伝わるよう絵文字やスタンプを使う」
など、テキストのやり取りだからこそ、「言葉の温度」を意識している方が多くいました。
テキストのみのやり取りでは、意図が誤解されやすくなるため、「丁寧かつ温かみのある文面」を心がけることが、円滑な関係構築の鍵になります。
第5位:情報整理と事前準備
「質問は一度自分で考えてから」
「質問・報告事項はまとめて送る」
「何度も同じことを聞かないよう、修正履歴を残す」
など、情報整理や事前確認を徹底しているという回答も多く寄せられました。
これは、業務効率を上げるだけでなく、相手の時間を無駄にしないための配慮でもあります。
ベスト5以外で光ったユニークな視点
● リアクション機能の功罪を認識
「リアクション機能(スタンプ)は便利だが、誤解や見落としが生じる場合もある」として、あえてテキスト返信を重視しているという声がありました。
テクノロジーに頼りすぎない「ひと手間の丁寧さ」が、逆に信頼を高めることもあります。
● ChatGPTの活用
「メール文の作成にChatGPTを使っている」
「要点を箇条書きにして投げれば、すぐに自然な文になる」
など、生成AIを業務効率化に活用しているという回答も。
伝えたいことを的確に表現するための「補助ツール」として活用する姿勢が印象的です。
● 気持ちを込める
「実際に会って話す場面をイメージして文章を書く」
「感謝の気持ちを忘れずに伝える」
など、文字だけのコミュニケーションだからこそ、「気持ち」を意識しているというコメントも心に残りました。
リモート環境での企業対応に必要な3つの視点
1.信頼は「反応速度」から生まれる
対面のない環境では、「すぐに反応がある」ことが安心材料になります。
即時返信が難しくても、「◯時までに対応します」と一言添えるだけで、相手にとっては大きな違いです。
2.文章には「設計」が必要
テキストの伝達力は、「何を」「どの順序で」「どの形式で」伝えるかに大きく左右されます。
短く、明確に、読みやすく——これらを意識するだけで、やり取りの質が大きく向上します。
3.「思いやり」がコミュニケーションを滑らかにする
相手の気分や立場、状況を想像してやりとりを行うことで、対人関係のトラブルはぐっと減ります。
「相手のためにひと手間加える」ことで、言葉の温度が伝わり、信頼関係の礎になります。
まとめ:テキストだけの世界でも、「人対人」のつながりを忘れずに
いかがでしょうか?
在宅秘書の皆さんの回答には
「相手の立場に立って考える」
「一歩先回りして動く」
「時間を奪わない工夫をする」
など、非対面の環境だからこそ求められる、高いコミュニケーションスキルが詰まっていました。
「相手にとって心地よいやり取りとは何か」を常に考え、日々実践されている姿は、リモートで働くすべての人にとって学びになるはずです。
非対面でも、心は通じ合える。
だからこそ、伝え方にこだわることが、プロフェッショナルの第一歩なのかもしれません。