リモートワークの環境が変わっても、企業と働く人のニーズは変わらない
当社の「在宅スタッフ採用支援・マネジメント」サービスは、2009年の初夏、2社のモニター企業様をお迎えしてスタートしました。
今では「在宅秘書」や「オンライン秘書」という言葉をあちこちで目にするようになりましたが、実は「在宅秘書」という名称も、当社がサービスを開始する際に生み出したものです。
サービス開始当時は、リモートワークそのものが今ほど一般的ではありませんでした。
離れた場所で働く人と企業が円滑に仕事を進められるよう、「Dropboxの使い方」や「Googleカレンダーの活用方法」などをご紹介することも、私たちの大切な役割のひとつでした。
それから15年以上が経ち、クラウドサービスやビデオ会議、チャットツールなどが普及し、リモートワークを取り巻く環境は大きく変わりました。
さらに近年は、生成AIをはじめとする新しい技術が急速に進化し、以前なら人が時間をかけて行っていた仕事も、効率よく処理できるようになっています。
しかし、長年このサービスに携わる中で、今も変わらないと感じることがあります。
それは、「在宅で働きたい」と考える女性が多くいること。
そして、「自社に合う人に、長く安心して仕事を任せたい」と考える中小企業が多くあることです。
在宅で働きたい人と、信頼できる人材を求める企業
働き方の選択肢が広がった現代では、専門的なスキルを持ち、複数の企業と契約しながら活躍するフリーランスも増えています。
一方で、すべての人が独立して仕事を獲得し、自分自身で事業を運営したいと考えているわけではありません。
「フリーランスとして独立したいわけではないけれど、外に働きに出るのは難しい」
「家庭の事情などに合わせて働きながら、できればひとつの会社と長く関わりたい」
「自分の経験やスキルを活かして、誰かの役に立つ仕事がしたい」
このような希望を持つ方も少なくありません。
育児や介護、自身の生活環境などの事情から、通勤を伴う働き方やフルタイム勤務が難しい人にとって、在宅で働ける環境は、仕事を続けるための大切な選択肢になります。
当社に登録される方の中にも、これまで会社員として事務や秘書の仕事を経験してきた方から、異なる業界で働いてきた方まで、さまざまなバックグラウンドを持つ方がいらっしゃいます。
必ずしも独立志向が強いわけではなく、信頼できる企業と関係を築き、自分の得意なことを活かしながら安定して働きたいと考える方も多くいます。
一方、企業側はどうでしょうか。
専門的な業務については、税理士や社会保険労務士などの専門家に依頼したり、Web制作やシステム開発などを外部の専門会社に委託したりすることができます。しかし、日々の業務の中には、専門家に依頼するほどではないものの、経営者や社員が自分で対応するには負担が大きい仕事が数多くあります。
例えば、スケジュールの調整、資料の作成、情報収集、顧客への連絡、社内の情報整理、各種手続きのサポートなどです。
ひとつひとつは小さな仕事でも、積み重なれば相応の時間を必要とします。
経営者がこうした業務に追われ、本来取り組むべき営業活動や事業の方向性を考える時間を十分に確保できなくなることもあるでしょう。
こうした状況で求められるのは、単に作業を代行してくれる人ではありません。
自社の事情や仕事の進め方を理解し、安心して日々の業務を任せられる人。
また、必要なときに相談でき、長く関わる中で少しずつ自社に合ったサポートをしてくれる人です。
仕事に使うツールや働き方が変わっても、企業と働く人が求めるものの本質は、今も大きく変わっていないのではないでしょうか。
AIに任せられる仕事が増えても、人に任せたい仕事がある
近年、AIの活用によって、事務業務のあり方も大きく変わりつつあります。
文章の作成や要約、情報収集、データの整理など、これまで人が時間をかけて行っていた業務の一部は、AIを活用することで効率化できるようになりました。
「事務作業もAIに任せればよいのではないか」と考える企業が増えるのも、自然な流れでしょう。
実際、手順が明確な作業や定型的な業務については、AIや自動化ツールを活用することで、時間や手間を削減できる可能性があります。
ただし、仕事には、単に情報を処理するだけでは対応できない場面も少なくありません。
例えば、顧客から予定変更の連絡があったとき。
単にスケジュールを書き換えればよいのか、それとも関係者への連絡や別の予定の調整まで必要なのか。案件の状況や相手との関係性によって、適切な対応は変わります。
また、経営者が「この仕事はできるだけ早く進めたい」「このお客様には特に丁寧に対応したい」と考えていても、その意図がすべて明確な指示になっているとは限りません。
仕事の背景や経営者の考え方を理解していれば、指示された作業をこなすだけでなく、優先順位を考えたり、必要な確認事項を整理して相談したりすることもできます。
AIは判断の材料を整理したり、対応案を提案したりすることができます。
しかし、その提案が自社の方針や顧客との関係に合っているかを確認し、状況に応じて対応を選ぶには、人による判断が重要です。
さらに、AIを導入すれば、それだけで業務が効率化するわけでもありません。
どの業務にAIを使うのか?
どのような指示を与えれば、自社の業務に合った結果が得られるのか?
出力された内容に間違いや不適切な表現がないか?
社内のルールや顧客との関係に照らして、そのまま使ってよいのか?
こうした点を確認しながら、AIを自社に合った形で活用するためにも、人の知識や判断が欠かせません。
AIで効率化できる仕事はAIに任せ、人は状況に応じた判断や調整、相手への配慮などに力を注ぐ。
これからの人材活用では、そのような役割分担がますます重要になっていくのではないでしょうか。
自社を理解してくれる人材だからこそ、任せられる仕事がある
ここで大切なのは、単に「AIではできないことがある」という話ではありません。
企業にとって価値があるのは、自社の仕事や考え方を理解し、安心して業務を任せられる人材がいるということです。
例えば、長く関わっているスタッフであれば、経営者が何を優先しているのか、どのような場合に事前の確認が必要なのか、顧客にどのような対応を大切にしているのかといったことを、日々の仕事を通じて理解していきます。
その理解が深まれば、毎回細かな指示を出さなくても、状況を踏まえて準備を進めたり、問題が起こりそうなときに早めに相談したりできるようになります。
もちろん、最初から会社の事情をすべて理解し、期待どおりに動ける人ばかりではありません。仕事の進め方や判断の基準を共有し、実際の業務を通じて少しずつ理解を深めていく必要があります。
だからこそ、人材を採用するときには、現在持っているスキルや経験だけでなく、継続して関わる中で自社への理解を深めてもらえるかどうかも、大切なポイントになります。
AIやツールを活用しながら業務を効率化し、その結果を確認したり、状況に応じて調整したりする。
必要なときには経営者の意図を汲み取り、判断に迷う場面では適切に相談する。
こうした仕事を担う人材がいれば、単なる作業の代行にとどまらず、日々の業務を円滑に進めるための継続的なサポートが期待できます。
AIの進化によって、仕事の進め方は今後も変わっていくでしょう。
しかし、自社のことを理解し、安心して仕事を任せられる人材の価値までなくなるわけではありません。
むしろ、AIを使いこなすことが当たり前になっていく時代だからこそ、それを自社の業務にどう活かすかを考え、適切に判断できる人材の重要性は高まっていくと考えられます。
フルタイムの正社員だけではない、人材活用の選択肢
では、こうした人材を確保するには、フルタイムの正社員を採用する必要があるのでしょうか。
事務やアシスタントの仕事を任せたいと思っても、業務量がそれほど多くなければ、正社員を一人採用することにためらいを感じる企業もあるでしょう。
給与だけでなく、採用活動にかかる費用や教育に必要な時間なども考えると、採用のハードルは決して低くありません。
一方で、経営者や社員がすべての事務作業を抱え続ければ、本来取り組むべき営業活動や事業の成長に向けた仕事に、十分な時間を使えなくなってしまいます。
そこで検討したいのが、必要な業務を切り出し、在宅スタッフに継続的にサポートしてもらうという方法です。
在宅スタッフであれば、企業が必要とする業務や稼働量に応じて、フルタイム採用とは異なる形で人材を活用できます。
業務内容や業務量によって費用は異なりますが、正社員を一人採用するほどの業務量がない企業でも、人の力を取り入れる選択肢を持つことができます。
例えば、スケジュール管理や資料作成、顧客との連絡、情報収集、社内の情報整理などを継続的に任せることで、経営者や社員は自分たちにしかできない仕事に集中しやすくなります。
また、同じスタッフが長く担当することで、会社独自の仕事の進め方や経営者の考え方への理解が深まり、より自社に合ったサポートを受けられるようになります。
AIで効率化できる作業はAIを活用し、その結果を確認したり、関係者との調整を行ったり、状況に応じて判断したりする部分は人が担う。
そのような組み合わせによって、業務の効率化ときめ細やかな対応を両立できる可能性があります。
大切なのは、すべてを人に任せることでも、すべてをAIに任せることでもありません。
自社の業務を見直し、それぞれの得意なことを活かしながら、無理のない体制をつくることです。
企業と働く人の双方にとって、無理のない関係を
当社が在宅秘書の採用支援サービスを開始してから15年以上が経ちました。
仕事に使うツールや働き方は大きく変わり、AIによって業務の進め方も変化しています。
しかし、企業が求めているのは、自社のことを理解し、安心して仕事を任せられる人。そして、働く人が求めているのは、自分の事情や希望に合った環境で、経験やスキルを活かしながら長く働けることです。
この双方の希望が結びつけば、企業は人手不足の解消や業務の効率化につなげることができ、働く人は自分の力を発揮できる仕事と出会うことができます。
もちろん、在宅スタッフを採用すれば、すべての課題が解決するわけではありません。
任せたい業務を整理し、仕事の進め方や判断の基準を共有し、継続的にコミュニケーションを取ることが必要です。
当社では、企業と在宅秘書の双方が円滑に仕事を進められるよう、それぞれの状況や考えを確認しながら、コミュニケーションや関係づくりをサポートしてきました。
企業とスタッフが直接やり取りを重ね、互いへの理解を深めながら、長く協力できる関係を築いていくことを大切にしています。
人手不足だからといって、必ずしも新たな正社員を採用することだけが解決策ではありません。
AIに任せられる仕事はAIに任せ、人にしか担えない判断や調整、日々の細やかなサポートには人の力を活かす。そうした組み合わせによって、自社に合った人材活用の形を見つけられるかもしれません。
「AIを活用しても、まだ自分たちで対応しなければならない仕事が多い」
「事務作業に追われず、本来の業務にもっと集中したい」
「自社に合う人と、長く信頼関係を築いていきたい」。
もし、このような課題や希望をお持ちでしたら、在宅スタッフの活用も選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
時代が変わっても、企業と働く人の双方が無理なく協力し、それぞれの力を発揮できること。
その実現を、当社はこれからも支援してまいります。




